なんでこんなに呼び名があるの?
映画や小説などでよく登場する大麻(カンナビス)。よく聞いてみると様々な言葉で大麻が言い表されていることがわかります。筆者が住んでいるアメリカでも、皆好きな呼び名で大麻を表現しています。実は、何千年も前から人々の生活に使われていた大麻には世界で1200以上のも通称名があると言われていて、それぞれに文化的背景やストーリーがあります。皆、そのストーリーを知り、自分の好きな呼び名を選んでいます。
カンナビス、マリファナ、ハシシ、ポット、ガンジャ、メアリージェーン、ヘンプ、420などなど。
これらは大麻の種類によって使い分けられているのか?それともただの俗称なのか?今回は、1200ある言葉の中でもよく耳にする8つの呼び方の違いや特徴について調べてみました。
カンナビス
カンナビス(Cannabis)は、カンナビス・サティバ、もしくはカンナビス・インディカ、という学名から取られたもので、日本語でいう大麻草に相当するものだと理解して良さそうです。
英語で大麻のことを調べると、カンナビスという言葉で語られることが多く、特に合法化の進む国では、ヒッピーや犯罪と結び付けられやすい言葉を避け、カンナビスという言葉を多く使う傾向にあります。
マリファナ
この名前を聞いたことのない人はほとんどいないのではないでしょうか。大麻の最も代表的な呼称です。
マリファナは乾燥した葉・花・種子・茎のことを指すことが多く、熱して煙を摂取するやり方から、食べ物や飲み物に混ぜる(「エディブル」と呼ばれる)など、様々な方法で体に取り入れられます。
他の記事でも多くの科学的研究とともに語られている通り、マリファナ=危険薬物と認識する時代はとうに終わりを告げ、マリファナの医学的有効性について多くの研究者や政府、そして人民が目を向けています。
ハシシ
ハシシも大麻草から作られるものに間違いはありませんが、マリファナとは成り立ちがちょっとだけ違います。
マリファナが葉や花の乾燥物なのに対して、ハシシは乾燥した樹脂で作られています。
ハシシは大麻の中でも最も濃縮されているもので、THCの濃度が非常に高いことで知られています。
ヘンプ
ヘンプはハシシとは反対に、THCの含有量が非常に少なく、0.3%以下の含有率であるため、摂取しても精神に作用することはほとんどありません。さらに、近年は鎮痛作用や抗炎症作用、抗不安症作用もあることが研究の結果判明しており、医療用としての活用が大きく期待されています。
ヘンプから作られるヘンプオイルはすでに多くの国で販売されています。
こちらの記事でも多くの科学的研究とともに語られている通り、マリファナ=危険薬物と認識する時代はとうに終わりを告げ、マリファナの医学的有効性について多くの研究者や政府、そして消費者が目を向けています。

ポット
ポット(Pot)の由来は、実は鍋ではありません。メキシコ系のスペイン語で大麻の葉を意味するPotiguayaやPotaguayaという言葉を短縮して使い始めたのが期限ではないかと言われています。これらの言葉は、”potación de guaya”という大麻を浸しやワインやブランデーに由来していると言われています。
ガンジャ
ガンジャは、ジャマイカなどの中米カリブで大麻を指すスラングとして使われていた言葉が、大麻とともにアメリカやその他地域に広まったと考えられています。でも実は、ガンジャは英語(ジャマイカの公用語)でも、現地語のクレオール語でもなく、実はヒンディー語なのです。19世紀にイギリスがカリブ地域で奴隷を使ったプランテーションを展開した際に、インドからジャマイカへ大量のインド人を送り込んだことからインドとジャマイカの文化が交わり、奴隷労働者の間でガンジャ、という呼称がスタンダードになったと考えられています。
メアリージェーン
マリファナは大麻の葉と雌花を乾燥させたものです。Mary Janeという言葉は、メキシコ系スペイン語に由来していて、”marihuana”という言葉はもともと女性の名前である”Maria Juana”から来ているそうです。これをアメリカっぽい名前に変えて、”Mary Jane”と読んだことが始まりだそうです。
420
420は大麻を象徴する重要な数字です。4月20日は国際的な大麻デーで各地でフェスティバルが行われます。サンフランシスコのゴールデンゲートパークで行われる”Hippe Hill”やコロラド大学の”Boulder Campus”などが有名です。
この420という数字、カリフォルニアの仲良し5人組がサンラファエル高校のLouis Pasteur銅像前で毎日夕方4時20分に集合して遊びでマリファナを吸っていたことから来ています。彼らは集合の暗号として”Louis 420”を使っていました。これが全米のティーンエイジャーの間でマリファナ喫煙の「暗号」として広まったことから、世に普及したそうです。

以上、代表的な8つの呼称について紹介しました。そもそも大麻って何?どういうものなの?という方はこちらの記事もどうぞ!
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