眠れない、寝てもすぐに起きてしまう、寝ても疲れが取れない‥ 誰しもが睡眠についての悩みを持ったことがあるのではないでしょうか? 日本では2400万人、実に5人に1人が睡眠に問題を抱えていると言われています。
アロマセラピーやお香、音楽、睡眠薬など、いろいろ試してみたけどこれといって効果を感じない、もしくは副作用に悩まされたことがある、などという話も少なくありません。
そこで、今注目されているのが、Taima Japanでも紹介している、大麻(カンナビス)の主成分であるCBDです。
CBDオイルとは?
CBD(Cannabidiol, カンナビジオール)とは、大麻の主成分の一つです。
CBDは、同じく麻が持つ成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)とよく比較されます。CBDにもTHCにもそれぞれ薬理効果がありますが、両者の最大の違いは、精神作用が有無です。
THCはCB1レセプターという人間の脳にある受容体との親和性が高く、多量摂取するとハイになるなど精神に作用する一方で、
CBDは脳の受容体との親和性が低く、精神や神経に作用することはありません。
CBDは免疫システムの調整や、抗酸化作用により、痛みや不安感、てんかんやガンにも効果があるいう研究結果もあり、今世界中で大きな注目を集めています。
CBDについては、こちらの記事をどうぞ!
さて、そんなCBDを抽出したCBDオイル、眠りの問題にはどんな効果があるのでしょうか?
睡眠障害のタイプ別に、効果・効能をリサーチしました!
睡眠時無呼吸症候群 (英: Sleep Apnea)
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に10-30秒の無呼吸状態に陥ってしまう睡眠障害です。大きないびきが特徴で,浅い眠り,起床時の頭痛,日中の眠気などの症状が現れます。また,高血圧を引き起こす原因となり,心筋梗塞・脳卒中などの合併率も高くなります。
日本では50歳以上を中心に、数百万人の患者がいるとも言われています。
この障害は睡眠の質や身体の酸素の流れや日常の認知能力にもインパクトがあります。
イリノイ大学薬学部の研究は、ドロナビノールというTHC成分(正確にはデルタ9テトラヒロドカンナビノール)をベースとして化合成分が、短期間で、しかも副作用なしで劇的に無呼吸状態の回数を減らしたと報告しています。
一方で、アメリカ睡眠薬学会(American Academy of Sleep Medicine)は、科学的な根拠が明確になるまでは、ドロナビノールの使用を割けるべき、というポジションステートメントを発表しています。
何れにしても、日本ではTHC自体がまだ法的に規制されているため、日本で服用できるようになるのはまだ先になりそうです。
不眠 (英: Insomnia)
不眠症は、入眠や睡眠持続が難しかったり、睡眠の質が悪いといったことが継続することが特徴で、医学的また精神医学的な障害であると考えられています。
国立精神・神経医療研究センター の三島 和夫氏によると、日本人を対象にした調査で、5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」、「何らかの不眠がある」と回答しています。60歳以上の方では約3人に一人が睡眠問題で悩んでいます。
不眠症は国民病と言われますが、カナダでは10人に4人()、 アメリカでは4人に1人など、もはや人類病と称しても良いくらい世界的な健康問題となっています。
CANABO Medical Clinicによると、パロアルト大学とアメリカの国立PTSDセンターの調査では、CBDが不眠症治療に大きな潜在可能性を秘めおり、またTHCは入眠の助けになる可能性がある、と報告しています。
CBDは、不安や痛み、うつ症状を和らげるため、結果として睡眠の質向上や睡眠障害の軽減効果があると大いに期待されています。不安を和らげる理由としては、脳内のセロトニン分泌量を増やし神経伝達を改善することや、重要な脳部分である海馬内の神経系性を促すからだと言われています。
また抗うつで処方されるSSRIよりも早く安全に効果ができる可能性があるとして、研究が進んでいます。

レム睡眠行動障害 (英: REM Sleep Behavior Disorder)
レム睡眠行動障害(レムすいみんこうどうしょうがい、REM sleep behavior disorder、RBD)とは、レム睡眠中に体が動き出してしまう睡眠障害。手足を動かしたり、ベッドから出たり、会話をしたり、夢の中の行動を現実でもしてしまうのだそうです。
レム睡眠行動障害については、原因も明確には解明されていないので、CBDがどこまで力を発揮するのかも未知数だと言える。しかし、サンパウロ大学の研究チームの報告では、CBDを摂取した患者の、睡眠中の行動数が、副作用なしで著しく減少した、と報告している。
明確な科学的根拠にはまだ乏しいが、今後の研究次第では、原因未解明のレム睡眠行動障害の特効薬になり得る可能性もある。
過眠 (英: Hyper Somnolence)
寝なすぎもあれば寝すぎもある。人間の体は思い通りにいかないものです。過眠は、夜間に十分な睡眠をとったとしても、日中、周囲の環境などに関係なく強烈な眠気に襲われる睡眠障害です。眠気に勝つことがとても難しく、一度眠ったら1時間以上は起きない(起きれない)、1日11時間以上寝てしまう、などが特徴です。
医療大麻の中には精神的な警戒や精神への刺激、睡眠サイクルを調整する効果がある種もあるため、仮眠にも一定の効果が期待できるかもしれませんが、研究や事例はまだ多くありません。
むずむず足症候群 (英: Restless Leg Syndrome)
名前の通り、足に耐えられないむずむず感を感じるのが特徴です。睡眠前に症状があらわれることが多く、不眠障害に悩んでいる方がいます。体を動かしたり、起きて歩き回ると一時的に症状は治まりますが、また寝ようとすると不快感が襲ってくる、という何とも厄介な睡眠障害です。
こちらも過眠と同じく研究・調査結果は多くないですが、世界中で研究が行われています。フランスの研究では、医療用大麻を服用した6人のむずむず足症候群患者全員の症状が完全になくなったと報告しています。なぜこのような効果が表れたのかについては更なる研究が必要とのことですが、一定の可能性を示した研究と言えます。
以上、睡眠障害と医療用大麻の関係についてまとめてみました。
CBDオイルは日本でも合法的に入手可能
残念ながら、大麻のTHC成分はまだ日本では認可されておらず、使うことができませんが、すでに厚生労働省によって認可されているCBDについては、CBDオイルなどの形で入手・服用することができます。
特に、不眠についてはすでに多くの研究事例があるため、日本にいながら明日からでも服用が可能です。
CBDオイルは副作用の報告がとても少ないですが、すでに服用している薬がある場合は、かかりつけの医者に指示を仰いでください。
本記事が、少しでも睡眠に悩んでいる方の役に立てれば嬉しいです。
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