【まとめ】忙しい人のための「大麻ビジネス最前線」高城剛著

今回は、2018年4月発刊の「大麻ビジネス最前線」高城剛著を、まとめていきます。


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はじめに

なぜ高城剛さんがこの本を書いているか?について述べてます。以下、簡単にまとめていきます。

日本では大麻というと覚せい剤と同様に扱われているが、世界では大麻の持つ医療的効能が科学的に判明していきたこともあり、カナダやウルグアイなど合法化する国が増えているのです。

それに伴いビジネス的にも盛り上がりを見せてきており、その盛り上がりは19世紀アメリカ西部で起きた「ゴールドラッシュ」になぞらえ「グリーンラッシュ」と呼ばれ、たくさんの投資家や起業家が大麻産業に参入しています。
中でもアメリカを代表する起業家であり投資家のピーターティールはすでに数百億円以上を大麻事業に投資しているほどです。

しかし、日本では1948年に制定された大麻取締法により研究すらも行われておらず、他国に大きく出遅れているのです。

確かに大麻は医療効果だけでなく、ハイになるような向精神作用もあるので、手放しに礼讃されるべきではない。だが、コンピューターがこの世界を一気に便利にした一方で、ハッキングなど悪用もできるように、こうした2面性は大きな力を秘めているものには付きものである。ゆえに最新事情や中毒性の再考は必要である。

それを理解した上で、今は大麻ビジネスに参入する大きな好機なので、本書を通じて大麻ビジネスの手がかりを掴んでくれれば、筆者冥利に尽きるとのことで書かれている。

第1章 2018年大麻の今、未来

この章では、アメリカにおける大麻合法化の歴史、合法化に伴うビジネス・治安・税収、カナダ、中国、医療への応用可能性、国際的な規制の今後について、主に書かれている。

まずは、アメリカにおける大麻合法化の歴史から記述をしていく。

アメリカにおける大麻合法化の歴史

大麻合法化といった場合、その合法は2つの段階に分けられる。医療用としての合法と、嗜好用としての合法だ。

アメリカでは、まず医療用が合法になっていった。これには「コンパショネート・ユース」というアメリカやヨーロッパが採用している制度が根拠の根底にある。

医療の分野において、アメリカやヨーロッパが採用している制度に「コンパショネート・ユース」というものがある。これは、生命に関わる疾患や身体障害を引き起こす恐れのある疾患を抱える患者に対し、代替医療がない等の限定的状況において、未承認薬の使用を認めるものである。 同著書 引用: No130

大麻草は、このコンパショネート・ユースの観点から使用を許可されているようだ。

では、具体的にどのような流れで大麻が合法化していったのだろうか。以下、その流れを一覧にして、まとめていく。

1976年

 ボブ・C・ランドルという緑内障を患っている方が医療目的で大麻を使用し、逮捕。しかし、法廷で「大麻吸引は医療的必然性がある」というランドルの主張が認められたことにより、アメリカ初の”合法医療用大麻患者”となり、医療用大麻合法化の運動の先駆けとなった。

1996年  エイズの蔓延により医療用大麻合法化の運動はさらに盛んになった。病人、身体障がい者にのみ大麻を販売する「カンナビス・バイヤーズ・クラブ」を組織したゲイで退役軍人のデニス・ペロンの働きかけにより、カリフォルニア州では11月に医療用大麻の使用が法令として施工された。
1998年  アラスカ州、オレゴン州、ワシントン州で医療用大麻が合法化
1999年  メイン州で医療用大麻が合法化
2000年  コロラド州、ハワイ州、ネバダ州で医療用大麻が合法化
2014年  コロラド州が、他の州に先駆けて嗜好用大麻を合法化。カリフォルニア州で2010年の住民投票で合法化にならなかった反省を踏まえ、大麻合法化による税収を公立学校建設のために使うと提示した結果、住民の賛同を得ることができた。
 2016年  カリフォルニア州で嗜好用大麻が合法化

次は、この合法化を税収にどのような影響を与えたかを記述していく。

大麻と税収

コロラド州では、嗜好品としての大麻にかかる税金はアルコールの3倍もある。

そのため、解禁された2014年の時点で医療用・嗜好用大麻からの税収が約75億円にも及び、それはアルコールからの税収約46億円を大きく上回り、米国で大きな話題となった。

アークビューとパートナーのBDSアナリティクスによれば、アメリカ全土では、2017年から今後3年以内に約4400億円の税収をもたらすと予測されている。

では、この税収をもたらしているビジネスはどのような状況になっているのだろうか。次はビジネスを見ていく。

大麻とビジネス

大麻の合法化は、たくさんのビジネスを生み、それが新たな雇用を生んでいる。

例えば、コロラド州では2015年には大麻産業の直接的な雇用者数が約1.3万人と、クラフトビール産業の約8千人を5千人近く上回った。

アメリカ全土では、2024年までに製造業では81万4000人、政府機関では38万3000人の雇用者数が減少すると予測される中、大麻産業は25万人以上もの新規雇用を創出すると見られている。

こうした大麻産業の盛り上がりに一役買っているのが、投資家の存在だ。その中でひときわ目立っているのが、Paypal創業者でFacebookの初期投資家のピーター・ティールだ。

彼が運用するベンチャー投資ファンド「Founders Fund」は、大麻関連ビジネスだけに投資するP Eファンド、「プライヴェティア・ホールディングス」へ投資しており、その投資先には、

  • ボブ・マーリィの娘も参画し、大麻にまつわるライフスタイル製品を販売する「Marley Natural
  • 大麻業界のYahoo!と呼ばれるポータル・サイト「Leafly
  • カナダにおける医療用大麻の最大手の郵送サービス「Tilray

など、有望な企業が顔を並べている。

 

こうした大麻産業の飛躍に伴い、今までになかった職種も生まれてきている。

その1つが「ハーバリスト」だ。

ハーバリストの説明は、本文から引用し、説明させていただく。

ハーバリストは、天然由来の薬草だけを扱う調剤師で、薬理学と植物学の両方に秀でていなければならない。その上、抽出やブレンド具合は、各人の経験則によるもので、数値化するのは極めて難しい。

近年、既存の西洋医療とは異なった「 もうひとつの方法」に注目が集まる中、ハーバリストの 需要は、うなぎのぼり。なかでも、年々市場規模が3倍増するCBDオイルの製造には、「 現代の 魔女」ともいうべき素晴らしいハーバリストの獲得が製品の品質を大きく左右する。

引用:同著書 No.360-363

このようにハーバリストという新しい職種が大麻産業において重要なポジションになっているのだ。CBDオイルについては、詳しく知りたい方はこちら

もう1つが、「グローワー」と呼ばれる職種だ。こちらも以下、本文から引用し、説明させていただく。

全米で最大の大麻畑を持つコロラドの企業「カルティバーズ」は、2013年まで遺伝子組み換えとうもろこしを農作していたが、2014年にビニールハウスで大麻栽培を実験的に取り組み、2015年に300エーカー、 2016年に600エーカー、2017年には1400エーカーと、倍々で耕作面積を拡大してきた。

この勢いは、当面止まりそうにない。いまやコロラドは、世界の大麻産業の巨大集積地になり つつある。その先進性は、実は品種改良にある。これが「グローワー」の仕事だ。

引用:同著書 No.360-363

以上のように大麻ビジネスは、今この瞬間も拡大を続け、経済の中心になろうとしているのだ。

では、ビジネスだけでなく医療の面では大麻はどのような影響をもたらすのだろうか。

大麻と医療

昨今、コロラド州にてんかん患者が集まっている。

というのも、2013年にCNNの大麻を特集した番組で、てんかんに苦しむ少女にCBDを投与したところ症状が1週間に1度になったドキュメンタリーが放送されたためだ。

こうしたメディアの動きが大きなきっかけとなって、ついにコロラドに、「Realm of Caring」というケアセンターが出来上がった。同センターは数年で世界最大の医療用大麻専門のケアセンターになっていった。

また、大麻はガン治療にも注目されている。

医薬品開発企業アウント・ゼルダ社の創業者マラ・ゴードンによれば、「医療用大麻におけるがん治療成功率は、およそ60%にも達する」とのことだ。

 

このような大麻が広まりを見せる中、治安にはどのような影響を与えるのであろうか?

大麻と治安

コロラド公衆衛生・環境局が2013年〜14年に発表した調査結果によると、合法化した後の方が大麻経験がある高校生の数は減少したようで、これは合法化によりブラックマーケットが駆逐されたからと見られている。

カナダでも、2018年夏に先進国で初めて大麻が合法化したが、その真の目的には違法ドラッグの根絶があるようだ。

治安にも特に悪い影響が現段階で見られない大麻合法化。世界ではどのように大麻は見られているのだろうか、次に規制について見ていく。

大麻と規制

大麻は国際的な規制を受けているが、そもそもなぜそのような規制を受けるに至ったのか。

その根拠は、1961年に国連によって採択された「麻薬に関する単一条約」である。以下、その条約の説明を本文から引用させていただく。

主に麻薬の乱用を防止するため、研究や医療など特定の目的で使用される場合を除いて、モルヒネやヘロイン、大麻などの麻薬を規制物質とし、これらの生産や供給を禁止するための国際条約だ。 日本 は1964年に批准しており、現在、世界の185カ国が締結している( 2015年3月現在)。

引用:同著書 No.588-591

これにより、大麻は麻薬認定され、厳しい規制がされることとなっていった。

しかし、今、この状況が変わろうとしている。

2016年、WHOの薬物の科学的根拠を審査する専門委員会であるECDD( 依存性薬物専門委員会) が、1935年を最後に審査して以来、まともな審査をしてこなかったことを認め、同委員会は2018年6月にあらためて大麻を再審査することとなった。

日本の大麻への評価は、WHOの評価に準拠するので、この審査が日本の大麻産業の未来がかかっているといっても過言ではない。

第二章

第二章以降については、【まとめ】忙しい人のための「大麻ビジネス最前線」高城剛著 その②にまとめることにする。

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